慰謝料と財産分与の関係
原則として財産分与は家庭裁判所、慰謝料は地方裁判所の管轄になっていますが、家庭裁判所では「一切の事情を考慮して」という民法の規定があるので、財産分与の額を決定するのに、慰謝料の要素も含めることがあります。だからといって、財産分与に常に慰謝料が含まれているとはいえません。財産分与に慰謝料が含まれる場合もあれば、含まれない場合もあるということになります。財産分与に慰謝料が含まれているのかどうかは、きちんと明記しておくべきです。後になって、まだ慰謝料が残っているとか、財産分与は別だと言われることのないようにしましょう。
※離婚での財産分与では法的性質に応じた内訳をはっきりさせておくことが重要です。
※財産分与という名目に清算的財産、扶養的財産、慰謝料的財産、過去の婚姻費用の清算が含まれているのかは大変重要なことです。
【最高裁判所判例】
財産分与と離婚による慰謝料は性質が違うので、すでに財産分与がなされていても、不法行為を理由として別に慰謝料を請求することができる。
しかし、財産分与に離婚による慰謝料を含めて定めることもでき、財産分与に慰謝料までが含まれている場合には、別個に慰謝料を請求することができない。
他方、財産分与を定めても、財産分与に慰謝料が含まれていない場合、あるいは含まれたとしても精神的苦痛を慰謝するには足りない場合には、別個に不法行為を理由として慰謝料を請求することができる。
慰謝料は何を基準に決められるのか
離婚当事者の個々の事情によって決まりますが、算定の際に考慮される要因としては、
・財産分与の額が大きければ一般的には慰謝料の額は低くなる。
・精神的な苦痛の度合いが大きければ高くなる。
・有責性の度合い。請求側にも有責性があれば減額される。
・当事者の経済状態。資力が十分であれば高くなる。
・その他 ・・ 離婚に至る経過、婚姻期間、別居期間、当事者の年齢、性別、職業、社会的地位、結婚期間中の夫婦の協力の度合い、子どもの有無、結婚生活の実態、財産分与の額、親権、監護権の帰属、養育費の額、離婚後の扶養の必要性など。
暴行虐待に対する慰謝料
離婚の場合の慰謝料は、暴行行為やその他の夫婦生活全体をとらえて金額を算出しますので、暴行虐待などの離婚原因は、不貞行為に比較して定額といわれています。
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